マチノコト

2013.9.26

全国初、昭島市の自治会と地元中学校による合同防災訓練で地域コミュニティを促進

photo by hageatama on Flickr CC BY 2.0

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まちづくりの取り組みには、若い人たちに参加してもらい、地域の問題を自分ごととして捉えていくかが重要になってきます。

東京・立川市の隣に位置する昭島市では、団地自治体や商業施設で作る地域協議会「まちづくり昭島北」が、地元の市立瑞雲(ずいうん)中学校と合同防災訓練を9月29日に行うと発表しました。

「まちづくり昭島北」は、「つつじが丘団地」にある3つの自治会(つつじが丘東自治会、つつじが丘西自治会、つつじが丘北自治会)や商業施設である昭島つつじが丘ショッピングプラザ、管理組合である昭島つつじ管理組合が丘ハイツ住宅管理組合などの合計8団体で構成されており、3200世帯、約7000人が暮らす地域の地域協議会です。

1980年代に開発された同地域の団地では、50代以上の年配者が多く、若年層の不在によって災害時や非常事態における情報伝達や避難の不十分さが問題視されています。また、高階層化された団地において、避難時における困難や対処のためには、若い人たちとのコミュニケーションを重視することが求められています。

そこで同協議会は、全国初の試みとして近隣の中学校と協力し、合同防災訓練を行うこととなりました。訓練には約2000世帯の団地住民と、瑞雲中学校の全校生徒513名のが参加します。大震災を想定し、生徒たちは「安否確認班」や「救出救助班」「給水・給食班」などに分かれ、団体内における救助が必要な人達を確認したり炊き出しなどを行う実践的な訓練を行ないます。

それ以外にも、自助を促進するために家具転倒防止対策の確認や各家庭における3日間の防災食の確保などの徹底など、自治体と地域住民とが一体となって取り組んでいます。

震災時において、大事なのは普段の心がけと近くに住んでいる人たち同士で助け合う共助を作り出すコミュニケーションです。こうした合同避難訓練を通じ、世代を超えた人たちとのコミュニケーションが生まれ、普段における地域コミュニティが推進されることで、非常事態であっても対処することが可能になる準備ができてくるのかもしれません。

江口 晋太朗

Shintaro Eguchi

編集者/ジャーナリスト。TOKYObeta Ltd 代表、マチノコト理事、inVisible理事、日本独立作家同盟理事。著書 『日本のシビックエコノミー』『ICTことば辞典』『パブリックシフト』など。1984年福岡県出身

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