マチノコト

2016.11.10

地域と地域をつなぐインター・ローカルマガジン「◯◯と鎌倉」が創刊、最初のパートナーエリアは長崎県五島列島

「地域」という言葉は、「都市」に対応する言葉として用いられがちです。都市と地域を比較した際に見えてくる地域の魅力や特徴は限定的なもの。

地域は、もっと他の地域と対比した際にどんな違いや共通点があるのかに目を向けるべきなのではないか、常々そう考えていました。

そんな折、鎌倉からまさしく地域と地域をつなぐ、新しいローカルメディアが誕生。地域のアプローチとしても、メディアのアプローチとしても大変興味深い新メディアを紹介します。

インター・ローカルマガジン「◯◯と鎌倉」

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◯◯と鎌倉」は、地域間交流をテーマにしたイベント連動型のペーパーメディア。日本の古都・鎌倉を拠点に、国内外のさまざまな地域とコラボレートし、新しいローカルメディアの形を提案しています。

ローカルメディアといえば、地元の人が自ら発信する「地元目線」か、都市から訪れた人が発信する「よそ者目線」かのどちらかとなることがほとんどでした。「◯◯と鎌倉」は、単一の地域のみを紹介するのではなく、地域同士を掛け合わせることで新たな視点から地域を見つめることができるようになっています。

フリーペーパーとイベントを連動

「◯◯と鎌倉」が最初のコラボレーションパートナーとして選んだのが、長崎県五島列島。異なるバックグラウンドを持つふたつの地域がコラボレーションして生み出されたのが『五島と鎌倉』です。

紙面では、五島と鎌倉、それぞれで飲食店を運営する人々が対談し、地域における食堂の役割について語っていたり、それぞれの地域密着型ミュージシャンへのインタビューが掲載されるなど、地域の違いと共通点を感じ取ることができるようになっています。

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「◯◯と鎌倉」の特徴は、フリーペーパーと連動したイベントやワークショップも行う点。鎌倉で開催される五島フェアにまつわるコンテンツも紙面には掲載されています。

五島の椿が全国各地を巡る新プロジェクト「旅椿」が同時にリリースし、初の出張販売所を期間限定でオープンしたり、鎌倉の食堂コバカバで五島ナイトや「五島と鎌倉」発行記念トークイベント等が『五島と鎌倉』の発行に合わせて開催されます。

「◯◯と鎌倉」の編集長を務めるのは、「DAZED&CONFUSED JAPAN」、「TOKION」編集部などを経て、「PUBLIC-IMAGE.ORG」の編集長を務めた後、2012年に「QONVESATIONS」を創刊した原田優輝さん。活動の拠点を東京から鎌倉に移し、都市と地域ではなく地域と地域をつなぐ活動を何かできないと考えていた結果、「◯◯と鎌倉」がスタートしたそうです。

地域と地域がつながっていくことで、地域は都市との対比では見えてこない、新たな魅力を発見することにつながるはず。地域を新たな視点で眺めさせてくれる「◯◯と鎌倉」のこれからが楽しみです。「◯◯と鎌倉」はパートナーエリアを随時募集しているそうなので、気になる地域の方はコンタクトしてみてはいかがでしょうか。

OOと鎌倉
https://www.facebook.com/andkamakura/

junyamori

inquire Inc. CEO、NPO法人マチノコト理事。1987年2月生まれ、岐阜県美濃加茂市出身。『マチノコト』の編集を担当する他、一般社団法人HEAD研究会フロンティアTF副委員長、ローカルメディアネットワーク『IDENTITY』を運営中。『THE BRIDGE』『マチノコト』『soar』など複数のメディア運営にも携わる。

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