2016.3.22
マチノコトでは、今年に入って「マチに対して何かアクションを起こしていきたい」と考える人たちで集まり、コミュニケーションを行う場を設けています。
1回目はお出かけサービス「Holiday」の谷さんにお越しいただき、2回目では富士通にて共創プラットフォーム「HAB-YU」のプロデュース等を手がけている高嶋大介さんをお呼びしました。
富士通は、六本木一丁目に共創のための空間「HAB-YU」をオープンしています。様々な人が集い、何かを生み出すための場所です。
高嶋さん「いまは複雑さが増し、変化が早い時代。こうした変化に対応するための場所を作りました。加えて「HAB-YU」は地域と都会をつなげる活動もしています。地域の人たちは自分たちでは自分たちが持つ価値に気づかないことも多い。私たちは都会で地域の価値を広める活動をしています。」
都会にいる人の中には、地域のためになにかしたいという人も多い。こうした人たちを地域と出会わせる場所としても「HAB-YU」を活用しているそう。「地域×ワークスタイル」をテーマに地域をフィールドワークし、発見したはたらき方と都内のワーカーと掛け合わせる、なんてこともしているそうです。
高嶋さん「焼津市との活動では、どうしたら行政職員のはたらき方を変えられるかに取り組みました。行政の職員さんは、地域をよくするために働いている人たち。職員のワークスタイルを変えることは、地域をよくすることにつながると考えたのです」
都会と地方、両方を行き来することでいろんなヒントが見つかったりするんだとか。
高嶋さんが考える”地域”は、何も地方のことだけではありません。
高嶋さん「地域について考えるときには、ちゃんと自分たちが暮らしている足元のことを見ないといけません。HAB-YUは、港区と森ビルとともに、自分たちが活動の拠点としている地域を活性化するための活動をする場が作りたいと考えています。」
そう語る高嶋さんは、昨年から「ミナヨク」という港区の困りごとをみんなで解決するコミュニティデザイン活動をスタート。「ミナヨク」は、麻布で地域づくりを行う若い人材を発掘・育成し、新しい地域の輪をデザインしていくための活動です。
高嶋さん「地域の課題を地域で解決するためのプログラムです。まず地域のことを知り、デザイン思考、アイデア発想の手法を学び、街をフィールドワークしたり、公開されている情報を参考にしながら、アイデアを形にしていく活動です。形にしたアイデアは、「ヒルズマルシェ」に出展して地域の人たちに披露しました。」
高嶋さんはこのプログラムを通じて、「地域への愛着を醸成したい」とコメント。
高嶋さん「この活動は、知れば知るほど、関われば関わるほど地域が好きになります。このプログラムで実現したいのは、参加してくれた人が自身のやりたいことを見つけ、自身が持つ地域を変える力に気づくこと。その先に、都市型のご近所付き合いモデルを作ることを目的としています。」
「アーバンネイバーフッド」など、都市におけるご近所付き合いについての言及は以前から行われてきており、それだけ都市に暮らす人にとって重要なことであることがわかります。
高嶋さんは「ミナヨク」の他にも、「港区100人カイギ」という港区に何かしら文脈がある人を呼んできてただしゃべるというイベントも手がけています。
高嶋さん「隣の人が何をしているのか知る。それだけでつながりが生まれたり、ビジネスが生まれたりするのではないでしょうか。まずは、互いのことを知る機会が必要なんだと思います。」
富士通は最近、新たにモノづくりスペース「Techshop」を六本木一丁目にオープン。「HAB-YU」、「Techshop」は共に地域とのつながりも意識したスペースとなっています。
こうしたスペースが都市の中に潜む地域で働く人や暮らす人々を可視化し、互いにつなげるためのハブとなっていくと、地域への愛着も強くなりそうです。地方と都市でできること、都市の中の地域に対してできることも、いろいろあります。「何かできることはないかな」と考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
次回、3回目の「マチノコトオープンダイアローグ」のゲストは、東京の下町の「谷中」の拠点として賑わっているHAGISOを運営している宮崎晃吉さん。谷中の街中をホテルにみたてた「hanare」をはじめ、古民家の改修や地域の店舗と提携しながら、谷中の魅力を体験する場をつくっています。4月2日に開催予定ですので、ご都合のつく方はぜひお越しください。
イベントの情報は「Meetup」上のオンラインコミュニティでもお知らせしています。よろしければこちらにもご参加ください!
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