2013.9.27
都市の社会環境問題の解決に必要な地縁コミュニティをつくる「Community Crossing Japan」と宮城県南三陸町を拠点に復興ツーリズムを展開する「復興応援団」とがコラボをして、森ビル株式会社の協力のもと、六本木ヒルズにて開催された「CCJ共助の防災勉強会」に参加してきました。
都市で震災が起きた際に、集合住宅・商業施設・駅といった、大勢の人々の避難生活が予想される大型施設の運営についての経験や知識を持つ方に話を伺い、今後の都市防災・減災に活かすための勉強会です。ちなみに、前回の開催は”大震災のリアル“というテーマでした。
第5回となる今回は、宮城県塩竈市の「矢部園茶舗」三代目・矢部亨さんがゲスト。矢部さんは震災で自らも被災し、壊滅的な被害を受けた店舗を2度復旧させながら、塩竈・石巻周辺エリアの復興活動を行ってきた人物です。 その他にも、復興のためのお茶ファンドを立ち上げたり、塩竈市街地の再開発のリーダーをつとめたりといろいろな活動をされています。
被災されたときの状況、心境などを語っていただきながら、トークの中で語られた大震災の教訓としての共助の防災・減災についてピックアップして紹介していきます。
「本当に必要な災害対策は、日常の生活の中でどれだけ人とのコミュニケーションを重ねることができるかです。それは、特別なものでなくてもいいんです。飲み会でもよく、大切なのは楽しい時間を過ごすこと。」
都内ではなかなかネットワークがなかったり、コミュニケーションをとることへのハードルが高い地域ではどういった対策が可能になるのでしょうか?これについて矢部さんは、以下のように語っています。
「都内ではネットワークがない人がほとんどです。その場合、防災のためにできることは、自助。自分のことは自分でなんとかすること。まずはパニックにならないことが寛容ですね。
震災が起きたとしても、同じ状況で全員が被災してしまうことは稀です。普段の関係を大切にし、有事の際は互いのことを気にかけ、誰かが被災したら安否を確認する、そしてなんとか支援できないか協力して挑戦することを大切に。」
まちづくりで最も重要なのは、誰のために、なんのためにこの街があるのかを考えること、だと語る矢部さん。まちづくりの主役はそこに暮らしている人たち。その地で積み重ねられてきたものを確認することを忘れないようにと語っていました。
こうしたすぐに始めることができる都市防災への取り組みは、普段CCJが発信しているテーマでもあります。こちらの記事でも紹介しているように、自助ができる「よき避難者」であることや、共助の地縁をつくるためには普段の心構えから、ちょっとした行動が大切になってきます。
防災・減災を共助の切り口から考えると「よき避難者」というキーワードが見えてきた。都市に共助の地縁をつくるCommunity Crossing Japanが目指すもの。
こちらのCommunity
Crossing Japanのコラムを読んでみて、自分にできる防災について考えてみてはいかがでしょうか。
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