2013.10.28
自分のまちにある「とっておきの場所」を、そのまちのみんなに知ってもらおう!―千葉県流山市では、市内の小学生を対象に、スマートフォンのカメラ機能を利用した「マッピングパーティながれやま2013」が11月9日(土)に開催されます。
子どもたちが撮影した「面白い場所」の情報は、同市がオープンデータとして公開する「eコミマップ」に記載され、誰でも見ることができるようになります。また、ハザードマップや防災マップの機能を果たしたり、市民は「eコミュ流山」という地域ポータルサイトを通じてまちのお気に入りの情報をアップすることができるなど、コミュニティ参加型のマップにもなっています。
こうしたまちのいろんな情報が詰まった地図をまちのみんなでつくるイベントを「マッピングパーティ」と言います。もとは「OpenStreetMap(通称OSM)」という、世界中のユーザーが「自由に使えるネット地図」を編集するプロジェクトが発祥。ネット上の地図の商業目的の利用が、ライセンス違反になることは意外と知られていません。みんなが作りたい地図を、みんなで作ろうというのが当初の発想でした。
近年では、それ以上のバリューを生んでいます。まちを一緒に歩きながら地図を作ることで参加者は自然と仲良くなっていきます。全国的に町会・自治会の加入数が減少している昨今、こうしたコミュニティづくりは大切です。海外ではマッピングパーティが定例で行われる地域が多く、時にはお昼ご飯を食べながら楽しくおしゃべりをするだけの回もあるとか。マッピングパーティは「地図を作る」という目的を通じて、地域を見つめ、人と人とをつなぎ合わせるプラットフォームにもなってきています。
また、防災という観点での事例もあります。例えば、マチノコトで以前取り上げたように、「少しでも早く被害を解決に導きたい」という想いから、伊豆大島では地域の方たちが集まって「台風26号被害状況マップ」が作られました。これによって、支援がより迅速に、有効に行われることになりました。まちには、住んでいる人しかわからない危険個所や課題がたくさんあるのです。
公共投資の効率化アプリとして注目を集めた「SeeClickFix」のように、スマートフォンを利用して誰でも簡単にまちの課題を互いに教え合ったり、行政に報告できるような役割、また、住む人しか知らないまちの「お得情報」の共有を、こうした「パーティ」として楽しみながらできるのは素敵ですよね。
コメント