2014.10.6
芸術制作を行う人を一定期間ある土地に招聘して、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のことを「アートインレジデンス」といいます。
徳島県の神山町が事例として知られていますが、神山町は「ワークインレジデンス」という、その土地が求める働き手や起業家を、家・土地付きで公募するプログラムを提供していたりもします。
レジデンス付きで特定の人々を地域に呼びこもうという動きはいくつかありますが、2014 年秋より東京で新しいプログラムがスタートします。
株式会社映画 24 区が、株式会社東京・森と市庭と協力して、監督、俳優、脚本家、プロデューサーといった映画づくりに欠かせない人材が滞在し、映画制作を通して個々のスキルアップを図る「シネマ・イン・レジデンスプログラム」を開始します。
プログラムの参加対象となるのは、映画 24 区が運営する学校「映画 24 区スクール」で学ぶ俳優や脚本家たち。奥多摩にある研修所(通称「森の研修所」)に滞在し、映画撮影や脚本開発を行います。
また、東京・森と市庭と連携して、他業種における幅広い層のクリエーターや地元の方々と出会い、関わり合うような創造的なコミュニケーションの場を生み出していく予定だそうです。
第1回目は、12月に開催される俳優コース・選抜クラスにて「森の研修所」を活用する予定。
このプログラムを実施している映画 24 区代表の三谷さんは、
東京にはオーディションやコンテストなど雑多な情報が日々散漫と流れており、若い人たちはそちらに気を取られがちですが、演技や脚本を学ぶ人にとって優先すべきは技術習得にかける時間の確保と学ぶ場所を持つことです。
今回、素晴らしいコンセプトの下、活動されている東京・森と市庭さんにご理解・ご協力いただき、若い映画人を鍛える環境を東京の森の中にも準備することができました。
都会から少し離れたオアシスで濃密な時間を多くの人と過ごし、良質な作品をつくり、そして優秀な人材の輩出に繋げていきたいと思います。
とコメントしています。
地域と映画といえば、千葉県流山市が実施した映画ロケ地のプロモーションの事例を本誌でも紹介しました。シネマインレジデンスのようなプログラムとロケ地のプロモーションアイデアを組み合わせていくと、新しい地域の見せ方が生まれそうですね。
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