2013.12.18
「島くらしや島へ訪れること、島で働くことについて、どんなイメージを持たれますか?」
私もきっかけがなければ、遠い存在だったかもしれません。ただ、身近ではなくとも、どこか興味があるそんな存在ではないでしょうか?
今回は、そんな島デザインについて、東京人と五島人が一緒に考えた『デザインキャンプ』の4日目、最終日のお話です。
・前回の記事はこちら:
五島列島の未来について考える~自然景観や食などの魅力を体感する~五島列島・景観デザインキャンプ1日目」 http://www.machinokoto.net/goto-designcamp-vol1/
五島列島の未来について考える~本質的な課題や若者ならではの提案を考える~「五島列島・景観デザインキャンプ2日目」 http://www.machinokoto.net/goto-designcamp-vol2/
五島列島の未来について考える~最終発表会まであと1日!最後まで全力で提案をブラシュアップ!~「五島列島・景観デザインキャンプ 3日目」 http://www.machinokoto.net/goto-designcamp-vol3/
そして、いよいよ最終発表会間際!みんな徹夜で提案作業!それぞれ役割分担を決め、提案発表の準備を進めます。アナログの情報を全てデジタル化し、いざ、発表会場へ!
福江市商工会議所の会議室をお借りし、最終発表会を行いました! 30名もの市民の方が聞きにきてくださり、メンバーにも緊張が走ります。
最初に『五島列島 島デザイン若者会議』の主旨と『デザインキャンプ』の目的、スケジュール、そして、東京から五島に来た経緯などをお話ししました。
『五島ゆるまなび大学-教育、生活、仕事を絡めた観光プログラム-』グループの発表では、現在の五島の情報発信や観光の課題、近隣の島での情報発信の先進事例の紹介、既に現地で行われているコミュニティ活動「ゆるまなび活動」、生活と観光を絡めた教育プログラム「五島ゆるまなび大学」の提案を行いました。
五島の中で様々なプロジェクトや事業があるがバラバラに情報発信されている現状に対して、それらを一括で閲覧できるハブとなるホームページデザインの提案、「ゆるまなび活動」という、コンテンツは、普段やっている漁師体験や山菜狩りなどの特技を活かし、市民誰もが得意技を教える先生になれる、子供たちや市民、観光客がゆるく学べ、コミュニティ活動にも、観光にもなるというものでした。
提案内容は、こちらをご覧ください。
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『移住者増加に向けた情報発信支援・現地体験プラン〜ゆるしま・しるしま〜』グループの発表では、移住者を増加させるための島の現在の課題整理、その課題を解決する対策の 1つの情報発信と支援(現地体験施設とプラン)について提案を行いました。
移住までの道のりには、①情報収集( WEB情報・現地体験)、②家探し、③仕事探し、④地域に溶け込むという4つのステップがあります。そして、現実としては移住を本気で考えている人は少数で、 5〜10 年後、または“いつか”移住したいという人の方が多く、そうした“ゆるモード”の移住検討者が、移住について気軽に考えられたり、体験できたりする場所や集まりを作ることが重要だと提案しました。移住情報発信・支援を行う「ゆるしま」では、東京などの島の外で、移住に興味のある“ゆるモード”の人が気軽に集まるイベントやコミュニティ、またその中で島での暮らし方を研究してみたり、実際に移住した人たちから生の声を聞いたりするプログラムを展開。現地体験施設・プランを行う「しるしま」では、移住を考える人向けに民泊プログラムを提供したり、五島に移住を考える人が五島で集まれるゲストハウス、移住にまだ関心が無い人にも五島の暮らしがより近く感じられる古民家ステイを提供する等の提案を行いました。
また、場所をつくるだけはなく、先移住者や地元の方々とのコーディネートなどサポートの必要性も提案しました。
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発表後は、市民の方とのディスカッション!
発表後、五島の市民の方との活発な意見交換が行われました。「東京の若い人からの提案はありがたい。ぜひ一緒に実現化に向けて、これからも頑張ってほしい、東京の人も東京ですぐにできることもあるのではないか」などの意見をいただきました。
今回の『デザインキャンプ』を振り返って、貴重な経験ができたこと、五島人との交流やネットワークができたこと、東京人が関わることに五島人が期待を寄せていること、五島に対して東京人でもできることがあること、そして、継続して『五島列島 島デザイン若者会議(シマカイ)』を取組みたいと皆が思い、提案の実現化・行動化に向けて議論が始まっていることなど、多くの収穫があったデザインキャンプでした。
今回の『五島列島 島デザイン若者会議』や『デザインキャンプ』のような取り組みは、今後、地方や島で暮らすことに興味がある人や、まちづくりや地域に貢献したいという人を後押しするような取組みであったと思いますし、また、そのような人たちと一緒に活動をするきっかけをつくることも今後取り組んでいくべきことだと思っています。
最後に、『五島列島 島デザイン若者会議(シマカイ)』のメンバー数人に、『デザインキャンプ』を振り返ってのコメントをもらいました。
■五島で子育てをするために、福岡から Uターンした福岡から移住してきた、芳澤瞳さん。
“五島列島には、心が揺れる里山の風景・紺碧の海・人を包み込んでくれる森など、人が本当の意味で「生きて」いくのに必要な「無くしてはならないもの」がたくさんあります。だけど、そこにずっと住み続けていると、この島がどれだけ素晴らしいかが分からなくなります。 「シマカイ」の取り組みは、五島に住んでいる人たちが自分たちの島をもっと愛するようになるための刺激となっていくのではないかと、この四日間で感じました。 もちろん、五島を深く愛して活動している方々は他にも沢山います。今後はその方達の想いに、「シマカイ」の想いをプラスして、どんどん面白い取り組みが実現していくことを願っています。”
■五島出身で東京で働く、北島美喜さん。
“この 4日間は東京メンバーのスキルの高さと五島の皆さんの暖かさに感謝し通しの 4日間でした。東京メンバーの熱い思いと、五島の皆さんの暖かさで、思いを「提案」として形にすることができたと感じています。シマカイとして今回五島に関わり、自分の故郷ではありますが、本当にいい所だと再認識しました。
今回、東京から来た五島を知らないメンバーと、五島の皆さんとが一緒にディスカッションできたのは、皆の思いの根底に「五島をよくしたい、五島を元気にしたい」という共通するものがあったからだと思っています。大好きな五島を元気にするという意味ではまだスタートにも立てていないのかもしれませんが、今回出会った素晴らしい仲間と一緒に、この活動を続けていき、一つづつやり遂げていきたいと思います”
■おばあちゃんが上五島在住で、神奈川出身東京で働くやまさきまさきさん。
“今回、新たな試みであったデザインキャンプ。五島の方々にとても親切にしていただき、当初まったく予定に無かったヒアリングなど、人から人に繋がり、時間が許す限り直接会って話を聞ききました。グループメンバーが思い思いに街へ飛び出していくダイナミックさがとても印象的でした。そして最終発表の後、本当にたくさん出会いがあったことに気付きました。
そのおかげで、少しでも自分たちに出来そうなこと、協力して何かできそうなこと、そんな小さいたくさんの光が見えました。この小さなきかっけから、皆で出来ることを広げていきたいと思います。”
■横浜出身で東京で大学に通う土屋光太郎さん。今回初五島でした。
“3泊4日というとても短い期間しか滞在していなかったのにも関わらず、見ず知らずの自分たちを歓迎してくださる五島の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。おもてなししてくださる宿泊先のお家の方、通り過ぎるだけで全員あいさつをしてくれる高校生、釣れ過ぎた魚をお裾分けしてくださる方。これは都会では全く感じることができないもので、日常的な光景なはずなのに、自分からすると、とても非日常的でした。そんな五島の良さを残していきたいと思うと同時に、もっと多くの人に五島の良さを知ってもらいたいと感じました。
今回のデザインワークショップは島全体でみれば、小さな一歩に過ぎなかったかもしれません。しかし、二歩目に踏み出すことで現状は大きく変わると思います。今回のワークショップで満足せずに、しっかりと島の現状と課題を捉えながら、中・長期的に五島に関わり、五島を盛り上げていければと思います!“
今後は、アクションプランをみんなで作り、2月に東京でイベントによるディスカッションとアイデアのブラッシュアップを行い、五島現地に、実現化プランを提案し、実現化に向けてアクションしていきます!
【Facebook】:https://www.facebook.com/Urban.Design.Management.Lab
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