2015.5.27
「地元に戻りたい、だけど仕事どうしよう」「移住を考えているけど、地方っておもしろい仕事はあるのか?」U/Iターン移住を考える方なら、一度は頭に浮かんだことのある悩みかもしれません。
実は、地方にはたくさんの地域資源があるのにも関わらず、うまく使い切れてなかったり、PRなどの見せ方の問題で、魅力が伝わっていないという現状があります。それが理由で、事業機会を逃していることも。
そのため、都会で学んだ技術や手法を、地方で活かしてくれる人材はかなり貴重。とはいえ、その人材をどのように地方に呼び込むかは、さまざまな地域が抱える課題です。
小布施若者会議も行なわれる信州では、東京との程よい距離感もあってか、そういった課題への取り組みが進んでいるようです。長野と東京に拠点に置く「信州若者会議」は、さまざまな動きを仕掛けています。
「信州(川)で生まれ、一度は都会(海原)へ、そして地元へ戻る」。“鮭の人生”に例えながら、「COME BACK SALMON」をスローガンに若者が信州に集まるきっかけづくりに信州若者会議は挑んでいます。
2013年に始まり、過去2回行われた「信州若者1000人会議」もその取り組みのひとつ。こちらは、「東京にいると信州のことがなかなか分からず、どちらで就職していいのか分からない」信州出身・在住の若者が、信州と自分たちの将来について考えるイベントとなっています。
その他にも「SALMN1000」というウェブサイトを通しての信州暮らしや求人の情報発信や、信州ゆかり飲みのような場づくりにも取り組んでいます。
そして、その新たな動きとして、生まれたプログラムが「若鮭アカデミー」です。
若鮭アカデミーは、3日間(2泊3日)を通して行なわれるプログラムで、「信州で働きたい人」や「地域の課題解決をしたい人」と信州の企業をマッチングを目的とし、新たな事業創出の機会を生みだします。募集は、県内外の若者向け。
1年間で、信州にある5つの課題を取り組んでいくとのこと。「遊休不動産」「自然保育・自然教育」「農作物の流通」「コンクリートの老朽化」「インバウンド観光」「IoT(Internet of Things)」「元気な死」のような課題がすでに挙げられています。
プログラムの期間中で行なうことは大きく3つ。「座学、現場、提案」。事例をゲストから学びながら、県内企業の方と実際に現場に足を運んだりしながら現状の課題を体感し、理解を深めながら事業提案する、という流れとなっています。
若鮭アカデミー第1弾は「空き家」をテーマに募集を開始しています。日程は6月19日(金)〜21日(日)、定員は15名。空き家率19.7%(全国ワースト2位)で、約5軒に1軒が空き家となっている長野県内の課題に向き合っていきます。
ゲストには、以前マチノコト記事でも登場した「メゾン青樹」の青木純さんと「東京R不動産」の林厚見さん。今を時めくお二人と先進事例を学んでいけるとは、なんとも豪華です。
また地元企業からは、上田第三木材合資会社、石井工務店株式会社、株式会社ワタベアンドカンパニーをはじめとして、10社ほどが参加予定。宿泊先としては、1166バックパッカーズを選んでおり、地元民だとなかなか泊まる機会もないゲストハウス体験は貴重ですね。地元の企業も、こうした取り組みに積極的に参加するなど、官民連携による事業の形といえるでしょう。
若鮭アカデミーがどのような出会いと事業を生みだし、信州移住へとつながっていくのか、動向が楽しみです。課題設定は「空き家」をはじめとして、全国の地方が抱えている問題も多く、他地域のロールモデルとなるのではないでしょうか。
「信州で面白いことをしたい、移住したい、どんな人が集まっているのか」と信州がとにかく気になる方は、若鮭アカデミーにご応募ください。ウェブ情報だけでなく、現場に足を運び、人と接し、自身で感じ、考えることが何よりの学びになるはずです。
若鮭アカデミー第1弾「遊休不動産(空き家)」の募集要項はこちらから。その他、プログラムの詳細などもぜひご覧ください。
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