2015.4.9
「Readyfor?」や「Makuake」など、社会には様々なクラウドファンディングのサイトが存在しています。
4月1日に岩手を拠点に活動しているNPOがいちから作り上げた、岩手に特化したクラウドファンディングサイト「いしわり」がリリースされました。
「いしわり」は、岩手をよくしたい想いを仲間と協力して実現できる、岩手に特化したクラウドファンディングサイトです。
掲載するプロジェクトの条件は、岩手への愛が実行者にあり、岩手のよい地域づくりにつながるアイデアであること。岩手在住の人、岩手以外の場所に住んでいる人も、「岩手をもっとよくしたい」という思いがあれば、法人、個人、団体を問わず誰でもプロジェクトを申請することができます。
いしわり運営チームは、プロジェクトアイデアのブラッシュアップや、PR活動の協力を行いプロジェクトの実現に向かってサポートします。
「いしわり」を運営しているのは、主体的な若者のネットワークで岩手を盛り上げるために活動しているNPO法人wizです。
代表をつとめる中野圭さんは、岩手県大船渡市の出身。東京で第一次産業生産現場改善と森林保全を目的とした株式会社を運営していましたが、震災を機に岩手へUターンしたそう。
震災後、U・Iターンし「岩手のために何かしたい」と考える若者が増えましたが、地方での暮らしや仕事に不安を持ち、なかなか行動に移せない人が多いと感じた中野さん。この状況をなんとかしようと考え、中野さんと同じく岩手にU・Iターンした20代、30代のメンバーと共に、2014年にNPO法人wizを立ち上げました。
現在は熱量の高い若者を集め、岩手県内で勉強会、セミナー、イベントを開催し、岩手を盛り上げる方法について様々な角度から学び考える場をつくっています。
そのほか実践型インターンシップのコーディネートも行っており、地元企業と学生のつながりをつくるとともに、お互いが成長していける機会を生み出しています。
イベントやセミナーを開催していくなかで、岩手のために何かしたいという若者同士のつながりをつくり、地域をよくするアイデアが生まれる場をつくってきたwiz。
そのアイデアの種を育てていくためにも、それを実現する後押しできる仕組みが必要だと考えた中野さんたちは、岩手に特化したクラウドファンディングサイトをつくることを思いつきます。
そこで、地域に特化したクラウドファンディングの先進事例として神奈川県鎌倉市で展開している「iikuni」を運営する「KAMACON VALLEY(カマコンバレー)」のサポートを受けながら、半年間かけてクラウドファンディングサイト「いしわり」を完成させました。
ネーミングは、岩手県盛岡市にある巨石を割って力強く成長した「石割桜」をモチーフにつけられました。
なんとこの「いしわり」のデザインを担当したのは、岩手県の盛岡情報ビジネス専門学校に通う2人の女子学生。岩手出身の2人の学生が、岩手らしさとは何かを考え、地元のためにという想いを込めてデザインしたそうです。
2014年4月1日にリリースされた「いしわり」に現在掲載されている第一弾プロジェクトは、岩手の大学生が主体となり地域にIT寺子屋をつくる資金を募るもの。
ITには地域を盛り上げる可能性があると考え、ITで遊んで学ぶ場づくりを通して子どもたちと地域の未来をつくっていくためのプロジェクトです。
wiz代表の中野さんは、こう語ります。
「岩手にもチャレンジできる環境があります。チャレンジするために必要な仲間も多くいます。一人では難しくても仲間がいれば一歩は踏み出せる。その一歩を創るのが『いしわり』であり、共に歩んでいくのがwizであると確信しています。」
いしわりでは、今後は1カ月に1件ペースでプロジェクトを公開していきたいと考えているそうです。
地域をよくしたいと願うひとが集まる熱量の高いコミュニティをつくり、そのつながりの中から生まれたアイデアを実行するための資金と仲間集めまでの流れをその地域でつくっていく。これは地域に密着して活動しているNPOだからこそできることではないでしょうか。
今後「いしわり」から生まれるプロジェクトが、どんなふうに岩手を変化させていくかがとても楽しみです。クラウドファンディングサイト「いしわり」はこちら
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