2015.8.19
ーー「いつか地域で働きたい」
ーー「地元のために何かしたい」
そんな想いを持ちながら都会で働いている方も、きっと多いのではないでしょうか。
総務省による「地域おこし協力隊」制度など、以前に比べると、若者が地域でチャレンジしやすくはなっています。ですが、いざ地域に行っても何をすればいいかわからないという不安は未だ残っています。
都会にいながらも地域とつながり新たな一歩を踏み出すきっかけとして、9月から「地域イノベーター留学」が実施されます。
地域イノベーター留学は、地元中小企業の経営革新を考えるプロセスを通じ、地域の課題解決を目指すための手法と感性を磨く、短期集中型のプログラムです。
その地域の資源を活かして新たな仕事を生み出したり、地域で魅力的な事業を行っているリーダーの右腕として活躍する人材を育てることを目的としています。
地域活性のスキルを身につけ、自ら仕事をつくり出して地域を盛り上げていきたいという人が対象となっています。
このプログラムを提供する「NPO法人ETIC.」は、若い世代が志を持って行動に起こしていくことが次の時代を切り開く原動力になると信じ、起業家精神を持つ人材の育成やコミュニティづくりに取り組む団体。
学生や社会人を対象にした長期インターンシップや、社会起業家を目指す人を対象にした起業家塾など様々なプログラムを展開しています。
また、東北の復興に向けて現地の課題解決に取り組みたい若者と地域のマッチングを行うなど、地方移住や地域活性に関連する事業も積極的に行っています。
地域において若者と経営者をつなぎ、お互いの本気を引き出すことで新たなチャレンジを仕掛けるチャレンジ・プロデューサーと共に、地域で様々な挑戦を育む「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(チャレコミ)」。
地域イノベーター留学は、このチャレコミの取り組みのひとつです。
地域イノベーター留学は、主に地域でのフィールドワークと東京での講義、ワークショップを中心とした5ヶ月間のプログラム。
地域の企業が持つ課題について考え、経営革新へとつながるような事業プランをつくり、実際に企業にプレゼンテーションを行います。
このプログラムの特徴は、地域全体の課題ではなく、地域に根づく企業の課題を考えることと、現地メンバーも加えたチームをつくりフィールドワークをすること。
地域全体という広い視点で見てしまうと本質的な課題を見落としがちになるため、地域の企業という視点から考えることで、より課題を深掘り、いずれ点を線に、そして地域全体という面へと確実に広げていきます。
また、フィールドワークに現地に住むメンバーも加えることで、プログラム参加者の外の目線だけでなく中の目線も加わり、より地域の人の想いに寄り添ったアイディアが生まれることを目指しています。
フィールドワーク先は、宮城県、新潟県、長野県、静岡県、鳥取県、岡山県、鹿児島県など、東北から沖縄まで全国で12カ所。
暮らしの主軸となっている農業を活用したり、島づくりをするNPOと共に課題を考えたり、廃校になった小学校を使った宿の運営課題など様々な内容のプログラムがあります。
受入地域のひとつである岡山県笠岡市は、穏やかな瀬戸内海の景色が広がる港町。大小31もの島々で形成される笠岡諸島を有する、多島美が魅力の地域です。日本4大石材産地のひとつで、古くから養鶏業や麺業が集積など、地域にあるモノを活かした産業が集まる町です。
今回参加者が課共に課題を考えるのは、この笠岡の島々で島づくりに取り組むNPO法人。島の資源である海産物を活用した特産品の展開などに取り組んでいます。この島で採れるいいものを特産品というカタチにして、「ちゃんと人に届けていくこと」が、いま求められています。
昨年フィールドワーク先となっていた三重県尾鷲では、地域イノベーター留学での出会いやアイディアをもとに、尾鷲の地域資源や暮らしを地域外の人に届け、つくり手と使い手の橋渡しをする株式会社YAENが生まれるという成果を上げました。
他の地域でも、地域おこし協力隊として地域に移住したり、仕事は続けながらフィールドワークで訪れた地域と関わり続けている人もいたりと,これまでの生まれたつながりが現在も続いています。
仕事をしながらも週末を使い、地域へのフィールドワークと東京での講義を通じて、地域との結びつきの強い企業の課題を考えていくこのプログラム。
「この地域だからこそ、これをするべき」と言える可能性を見いだし、プロジェクトに落とし込んでいくことで、“仕事をつくる”ことを実践的に経験していきます。
将来地域で仕事をしてみたいと思っている方は、この機会を通じて知識と経験を蓄えてみてはいかがでしょうか。
個別説明会も実施されているので、関心のある方はぜひ参加してみてください。
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