マチノコト

2015.7.30

市民と企業が一体となって水辺の再生!佐賀城公園で起きたお濠のハス再生運動 #umizero

 マチノコト佐賀4

夏本番、汗の出るような暑い日々が続いていますね。

街中を歩いていると、子どもたちが水辺で遊んでいる姿を見かけることもあるかもしれません。川や海など、水辺の姿を見るだけで、少し心が休まります。

川では、緑の木々や草が浮かび、私たちの視覚から、癒しを与えてくれるものです。

佐賀県には、そんな水と緑が生かされた、市民の憩いの場があるようです。

水と緑の市民憩いの場「佐賀城公園」

マチノコト佐賀3

佐賀県中心部に位置する佐賀城公園。博物館、美術館、図書館、体育館、佐賀城本丸歴史館などの文化施設が点在し、周囲には広い園路が配置され、県民の憩いの場として親しまれてきました。

佐賀城跡を取り囲む大きな堀は、コイやガチョウ、アヒルが泳ぎ回り、老若男女の散策路、コミュニケーションの場としても利用されており、堀の水面に映えるクスノキやヤナギ、ハスの緑は、佐賀の代表的な景観として、県民の目を楽しませてきました。

しかし、夏の風物詩として県民の目を楽しませていた南堀のハスの大群が2005年頃から減り始め、2008年に全滅してしまったのです。

外来種のカメによるハスの食害

カメ

消滅の原因は外来種のミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)によるハスの食害でした。

かつて日本に数多く輸入され、縁日などで売られた「ミドリガメ」。人間がペットとして飼育できず、安易に放流してしまったことが、繁殖の要因とみられています。

野生化したミドリガメは、ハスの茎を食い荒らしてしまい、ハスが無くなったことにより、堀周辺のカモやコウモリ、カエル、トンボの減少に影響を与え、生物多様性の問題の起因となりました。

2009年5月には、地元住民による「ハス再生実行委員会」が設立され、運動が広がるなかで、「アクアソーシャルフェス」が、その活動をバックアップしました。

「AQUA SOCIAL FES!!」とは

マチノコト佐賀1

(株)トヨタマーケティングジャパンが、自社のハイブリッド車「アクア」の社会貢献プロモーションとして展開している、一般参加型の新しいアクションプログラム「AQUA SOCIAL FES!!(以下、アクアソーシャルフェス)」。

「あしたの『いいね。』をつくるんだ。」というスローガンのもと、その車名にちなみ、「水」をテーマにした地元の自然環境を保護・保全する地域社会貢献活動を実施し、外部有識者の監修のもと、各地のメディア、NPOなどと連携しながら、各地の人々と、実際に汗を流すプログラムです。

トヨタが従来から提唱している、企業の商品プロモーションと、社会貢献活動の両立であり、参加したユーザー個人も楽しめる活動として、企業・社会・個人が共に成長する「共成長マーケティング」が、推進されています。

2012年から、3年間の取り組みの結果、全国47都道府県でのべ344回のプログラムを実施。3年間の累計参加者数は34,215人にのぼります。30歳以下の若年層の参加率も約6割(63.6%)を達成しました。

佐賀城公園お濠のハス再生運動~佐賀城のお堀を江戸時代まで巻き戻そう。~

佐賀マチノコト6

2012年、5月13日、佐賀城公園の南堀周辺で、「アクアソーシャルフェス」のバックアップのもと、「ハス再生実行委員会」や市民合わせて約70人ほどが集まり、外来種のカメや魚の捕獲作業を行いました。

前日にお堀へ仕掛けたカニかご40個と、サビキ針を連結した延縄(はえなわ)3本を引き上げ、北米原産のミシシッピアカミミガメ21匹とブルーギル7匹を捕獲。参加者からは「外来種が生態系に悪影響を与えることを学んだ」「環境を守る活動を体験できてよかった」「ハスが戻った姿をまた見てみたい」といった感想が寄せられました。

3回行われた、この活動に参加したのは、のべ250人ほどでしたが、それ以外の時期も、地元住民や学校の手で、ハス再生の取り組みが続けられました。結果、ハスの緑は、前年よりも大きく広がり、活動に参加した人たちに達成感も生まれました。

昔のように、堀一面を覆うまでには時間がかかりますが、こういったハスの再生活動をはじめ、城内を流れる多布施川や水路へのホタル放流、遊覧船でのお堀めぐりなど、水辺を意識したイベントが市民団体の手で、継続して開かれているようです。

市民、企業、行政が手を取り合って水辺の問題に取り組む

マチノコト佐賀5

佐賀城公園のお濠で問題となった、ミドリガメによるハスの食害問題。他県の河川においても、ミドリガメによる食害問題は発生しているようです。

重要なのは、誰かが解決してくれるのを待つのではなく、それぞれが自分に出来ることを考えて、行動する姿勢ではないでしょうか。

今回、紹介した佐賀城公園での取り組みも、市民活動団体や市民、企業が役割分担を行い、その成果としてハスの再生が実現されています。

あなたの町の水辺も、佐賀城公園のお濠と同様、問題を抱えているかもしれません。1人から出来ること、グループでできること、1つずつ考えてみるのはいかがでしょうか。

えぐちはると

えぐちはると

コメント

コミュニティに参加する

ページトップ