2015.9.8
今、アートやクリエイティブ、地域での取り組み、社会課題の解決など、様々なテーマに特化したクラウドファンディングサービスがあります。
クラウドファンディングとは、あることを本気で変えたいと思って活動する人・団体に、必要な資金を、ネットを通して多数の人から集める仕組み。
今回は、山・川・海など水辺環境に関するプロジェクトに特化し、活動している人と応援者をつなげるプラットフォームとなっているクラウドファンディングサービス「カワサポ」をご紹介します。
運営する一般社団法人ClearWaterProjectは、水辺状況の問題点・改善活動を “見える化” することを中心として、きれいな水辺を取りもどし豊かな環境を残していくために活動している団体。
以前マチノコトでも紹介した水辺環境を可視化するアプリ「AQMAP」や、全国の川遊びできる河川情報が掲載されたアプリ「川遊びマップ」などを運営しています。
人間の暮らしやあらゆる産業には水が必要ですし、水辺は人々の憩いの場になるという文化的側面があり、人間の生活は水とは切っても切り離せません。
このカワサポは、「自分にはできることなんてない」と、他人ごとだった山・川・海のことを、まず山・川・海の環境団体の活動を通して知ってもらいたいという思いで作られたそうです。
これまで掲載されてきたプロジェクトは、このようなものです。
愛知県尾張地方の地域活動団体「生きもの探検部」による、自然に親しんでもらうきっかけをつくるため作成する合瀬川の「生きものマップ」プロジェクト。
地域の小学生から高校生までの子供たちが中心となり、大人がサポートしながら生きものマップを完成させたそうです。
岐阜県の恵那市で、街の人たちが気軽に森に入れる道をつくり、イベントやお祭りなどの開催を通じてコミュニティをつくっていくためのプロジェクト。
地域の山が荒れているという現状があり、このままでは大きな土砂災害につながるため、緑のダムと呼ばれる保水力を発揮し、川にゆっくりと雨を流してくれるよう山を整備していくきっかけづくりを目的としています。
ほとんどの山・川・海の環境団体の方々は別のことで生計を立てて、休日を使って活動し、時には活動継続のための資金が足りないことで持ち出しをすることもあるそう。
それでも地域と子供たちの未来を豊かにしたいと頑張っている団体を、資金面でサポートするだけでなく、活動を広く伝え、応援するサポーターを増やしていくことが、このカワサポの目的です。
ClearWaterProject代表の瀬川さんはこう語ります。
山、川、海はみなさんはそれぞれ別ものとして認識されるのですが、川の氾濫は、山で林業が衰退して山の保水力が下がっていることや、田畑が減って一時的に水が保持される場所が減ったこと、街がコンクリート化されたため土に水が浸み込まずすべて一気に川に流れること、といった複合的な原因で起こります。
日々の生活、自分の周りの環境の多くのことが実は川や海に影響しているので、そういったものを変えていくことすべてがカワサポの対象なのです。
自然環境は対象が人と異なるため、一見自分たちが繋がっている感覚がなく、自分たちが取り組んだだけでは変えられないという意識があります。でも周囲の環境・条件を変わっていけば、それとともに変わっていく人も多いはずです。
カワサポは、水辺環境の改善というキーワードを元に、周りの状況を持続可能で幸福感を感じられる環境に変えていきたいと思っています。
そのために、WEB上のシステムだけでなく、現場の方と一緒に活動してノウハウ溜め、具体的にみなさんをサポート出来るような仕組みを提供出来るようになっていくつもりです。
これからカワサポを通じて思いのある人とそれに共感する人がつながり、河川の環境問題がみんなにとって自分ごとになっていく動きが生まれていきそうです。関心のある方は、ぜひこちらをチェックして、活動に参加してみてください。
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