マチノコト

2014.2.6

どう働き、どう生きていくのかを考えること–マチノコト×みなとフューチャーセンターイベントレポート

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1月22日、みなとフューチャーセンターとコラボした「未来都市2050〜これからのコミュニティのあり方を考える」を開催しました。

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2013年9月にリリースしたマチノコトも3ヶ月がたち、全国各地のまちづくりや地域コミュニティづくりの事例などを紹介してきました。2014年は、企業やNPO、地域で活動されている方々と協働しながら、まちづくりや地域のあり方について多くの方々と考える場をつくっていきます。

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2014年最初のイベントとして、みなとフューチャーセンターとコラボし、自分たちの都市の未来について考える場をつくりました。ゲストとして、渋谷にあるシェアドワークスペースco-baなど、さまざまなコミュニティづくりを支援しているツクルバ株式会社の山本倫広さん、ITを通じた市民主体の課題解決の支援を行っているCode for Japanの高木祐介さん、港区を中心として、都市づくりを行っている森ビル株式会社タウンマネジメント事業部の大柿隆さんにお越しいただき、お話をしていただきました。

地域コミュニティを活かすために必要な「下ごしらえ」

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山本さんが勤めているツクルバは、「場の発明」をコンセプトに活動しながら、スペースの企画設計などを行っています。そうした場作りの中で山本さんが大切にしたいことは、つくる前の「下ごしらえ」だと話します。

地域をフィールドワークしながら、どういった魅力があるのか、その地域で活動している人たちとの関係を作りながら企画の骨子を考えていくことで、本来の地域の良さを引き出すことができるのではないでしょうか。

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調布まちみらい会議という取り組みは、地域の魅力にすでに気づいている人がいて、でもうまく連携できていない人たちに、僕達のように外部から人が入ってつなぐという場作りを心がけています。もう一つ、宇宙キャンプという取り組みは、地域の魅力に気づいていない人たちに対して、その地域の魅力に気づくような場や機会を提供することを心がけています」

地域の魅力にどういった人たちが気づき、それらをどう活かすかが大事とのこと。場作りは、トップダウンのアプローチだけではなく、ボトムアップのアプローチの両方が必要になります。すべてがボトムアップだけでも意味がありません。うまくトップダウンを活かすためにも、「下ごしらえ」としての関係づくりが必要なのです。

当たり前のツールになったITを活用して地域課題解決に取り組む

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まちづくりには、地域の魅力を活かすだけではなく、地域が抱えるさまざまな課題を解決することもアプローチとしてあります。子育てや教育、介護、防災といったそれぞれの地域毎に違った課題を、ITやテクノロジーを活用して解決するためのコミュニティを作っているのが、Code for paydayloansonlinecaus.com Japanです。

もともと、2009年からアメリカでスタートしたCode project payday scam for payday loans Americaのモデルをもとに作られた団体で、エンジニアやデザイナーなどの技術者を行政に派遣し、行政が抱える課題解決を図る取り組みを行ったり、地域のITコミュニティを作ったり、全国各地でアイデアソンやハッカソンなどの新しいアプリ開発の支援などを行ったりしています。

日本でも、東日本震災をきっかけに、ITを活用して課題解決に取り組む人たちも増えてきました。ITやテクノロジーを、ビジネスだけではなく地域課題としても活かそうとする考え方を「Civic Tech(シビックテック)」と呼んでいます。例えば、税金の可視化を行うSpending.jpや、地域の犯罪危険箇所が分かるヒートマップ、市民がスマートフォンを活用して街の不具合を投稿するFixMyStreet、ごみ収集をわかりやすく表示させる5374.jp といったサービスなどがこれまで開発され、市民にも多く利用されています。

「地域の課題を知っているのは、そこに住む市民と行政職員の人たちです。そうした市民と行政をつなぎ、専門家も含めた多種多少な人たちとともに考え、ともにつくる社会を通じた、市民参加型の社会にしていくことが、団体の活動目的です」(Code for Japan高木さん)

スマートフォンやソーシャルメディアの普及などによって、誰もがITを簡単に使える時代だからこそ、身近なツールを使い、自然と地域の問題に触れ、ちょっとしたことからでも地域に貢献できるきっかけがあることで、まちがより良くなっていくのではない
でしょうか。

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職住近接型による、これからの都市生活のあり方の未来

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東京という都市を考えた時、外部からの視点では世界に誇る都市かもしれません。しかし、その裏には課題先進都市として、交通問題や労働環境などさまざまな課題を抱えています。その背景には、高度経済成長時における職住分離型の都市構造にあるのでは、とも指摘されています。東京は、ビジネスやサービスだけで語るのではなく、誰もが働きやすく、かつ住みやすい都市にすることが、これから求められてくるのではないでしょうか。

海外では、近年改めて「職住近接型」の都市構造へと歩み始めています。そこで森ビルは、オフィスや生活圏の近さによるワーク&ライフバランスのグローバル化を進めようとしています。

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アークヒルズ周辺では、都心の空や地下を利用し、職、住、遊、商、学、文化、交流など、さまざまな都市機能を立体的に組み込み、コンパクトシティを目指そうとしています」(大柿さん)

モノではなく、生活の質を向上させてまちとしての余白を持たせることで、人々の未来の生活のあり方を見つめようとしているそうです。

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自分が地域に何ができるのかを考えることが地域に対する第一歩になる

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それぞれの視点でそれぞれのアプローチをもとに、地域やまちづくり、都市のあり方を模索・実践しています。わたしたち自身がどのように生活し、どの地域に住み、どのような働き方をするか、といった生き方が、今まさに問われている時代なのではないでしょうか。

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ワークショップでは、参加者それぞれが考える「都市や地域コミュニティのこれからの課題」に対して、互いに話をしながらどういう課題がこれから私たちにあるのか、その課題をどのように解決していくべきか、そのために私たちや地域ができることはなにか、といった内容について議論やアイデアの発散をグループで行いました。

地域の魅力を考えること、自分が住んでる町の自慢を周りに話すこと、東京以外の地方の街に積極的に行ってみること、自分が本当に居心地がいいと思う地域に住むこと、行政の枠組みを超えた横のつながりを持つことで、行政区分を超えた新しい取り組みができるのではないか、自分が提供できるスキルをもっと多くの人たちにシェアすること、地域の人たちや周りの友人や知人の人たちを理解しようとし、意味のあるコミュニケーションを図ることなどなど、各テーブルでは、それぞれが思う地域コミュニティの課題と、それに対してどういった解決策や取り組みができるかがシェアされました。

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改めて、自分がどう暮らしたいか、どう働きたいか、そしてどう生きたいかを見つめる時代が訪れているのかもしれません。その中で、自分と地域、自分と都市、自分と社会との関わり方を考えつづけることがこれからは必要なのかもしれません。

今後、マチノコトはみなとフューチャーセンターだけではなく、全国のさまざまな自治体との連携や、地域課題解決を図ろうとしている団体などとも連携しながら、取り組みを行っていきたいと思いますので、ぜひみなさんもイベントに参加してみたり、自分ができるまちづくりの取り組みを始めてみませんか。

編集部マチノコト

マチノコト編集部

コミュニティデザインやまちづくりをテーマにしたメディアプロジェクト『マチノコト』編集部のアカウントです。

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