2015.5.13
都市において、ご近所付き合いのなさ、隣人とのつながりの希薄さは課題であるとされてきました。
地方と比べ、都市に不足しているご近所付き合いを作っていくことで、社会の課題を解決しようという「ネイバーフッドデザイン」という取り組みについて、これまでマチノコトでも紹介してきています。
この他にも、「ご近所」という切り口からマチに関わっていこうという動きがあります。
地域にかかわる一人ひとりが「やりたいことをまちにつなげる」ことで実現する新しい地域づくりを、「ご近所イノベーション」として捉え、様々なかたちで支援する「ご近所イノベーション学校」というプロジェクトがあります。
このプロジェクトは、港区芝地区総合支所と慶應義塾大学の連携によって実施されており、想いをまちにつなげるさまざまな講座の実施や、つながりと活動を生みだす場の運営。学校という名の「新しいかたちの中間支援のプラットフォーム」づくりといった事業を行っています。
「ご近所イノベーション学校」の活動に、ご近所イノベータを育てる「ご近所イノベータ養成講座」というものがあります。
講義とワークショップが開催され、プロジェクトの実践や「芝の家」でのコミュニティ体験を通して「自分のやりたいことをまちにつなげる」技法を学ぶ、少人数制の実践型講座です。
2013年から開講されており、これまでに2回開催されたこの講座が、現在3期生を募集しています。先日は「ご近所イノベータ養成講座」の説明会が開催され、自分のやりたいこと、まちに対して何かしらアクションしたい人達が集っていました。
「ご近所イノベータ養成講座」では、参加者同士がチームを組み、プロジェクトのプロトタイピングを行います。これは講座の開講中だけの話ではなく、卒業後も継続していくようなプロジェクトを生み出していくことを目指しています。
これまでに、介護ヘルパーの仕事をしながら講座に参加した人が要介護者は単に介護されるだけの存在ではなく、色んな人生経験が詰まっている未来の大人の姿で、その人達の話を聞くための場として「future bar」というプロジェクトが生まれたり、港区には多くの外国人が住んでいるのでその外国人の人達に港区を案内してもらう「さかさツアー」という企画が生まれたり、朝ごはんをみんなで食べようという小さな地域交流会の企画が生まれてきたそうです。
1、2期を通じて5、6個のプロジェクトが誕生しているんだとか。2期を通じて修了生の数は51名に。「ご近所イノベータ養成講座」を継続して開催していくと、そのうち港区に関係する人口の1%くらいが修了生になるかもしれません。
自分のやりたいこととマチをつなげられている人が、それだけの人数存在していると、少しは街を変えていく原動力になりそうですね。マチに関するプロジェクトをやればいいわけではなく、マチと自分のやりたいこととつなげていくということが重要で、講座に参加することは参加者にとってメリットとなる部分も多いようです。
過去に講座に参加した人達は、「これまでは知らなかった自分の一面に気づくことができた」「仕事とは違うつながりが生まれた」「バックボーンの異なる人達でなにかをするという貴重な体験ができた」といったコメントを説明会に参加した方々に伝えていました。
「ご近所イノベータ養成講座」は、現在3期生を募集中。募集の〆切は5月15日(金)までとなっています。〆切までの時間はわずかですが、マチにたいして何かしてみたいと考えている方は、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか?
第3期「ご近所イノベータ養成講座」の募集要項はコチラから。
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