マチノコト

2014.6.5

高知大学が新学部「地域協働学部」を開設予定、地域課題を解決する人材の育成へ

高知大学は、新学部『地域協働学部』を開設する予定であることを発表しました。同学部では高知県が抱える少子高齢化、産業の脆弱化、中山間地域の疲弊といった地域課題を解決する担い手の育成を目的としています。

高知大学は「地域協働学」を、教育学、経済学、経営学、社会学、農学、環境、美術、スポーツ等の各学問分野を、「地域協働」という視点で横断的に統合・再編した実践的な学問と位置づけているそうです。

高知大学は2014年5月30日に設置計画書を文部科学省に提出。それに伴い、これまで公表していなかった新学部の教育課程や育成する人材等の情報について明らかにしています。現在、「地域協働学部」は設置認可申請中。

キャンパスは地域、テキストは人

入学定員は60名、専任教員は20名。「キャンパスは地域、テキストは人」という理念の下、多くの学生が実際に地域に入って、地域と一緒に考え行動していきます。学生には、地域における課題解決の現場を直接体験させるため,多彩な実習科目を配置して、地域への愛着や誇りを育てる教育を実践。

Faculty of Regional Collaboration

地域コミュニティの再生、商店街の活性化、地場産品を生かした商品開発など、学生自らが企画し、地域住民と協働しながら、組織・人を動かす力を身につけていきます。

地域課題の解決に必要な人材を育成

想定されている「地域協働学部」のキャリアパスは以下のようなもの。

  • 6次産業化人 – 6次産業(生産(1次産業)、加工(2次産業)、流通販売(3次産業)を一体化させた産業形態)による新ビジネスを自ら起業して活躍する人材、起業家、農林商工業の後継者など
  • 産業の地域協働リーダー – 異業種間等の協働を通じた新規事業を創出する人材地域産業振興を担う企業、「銀行」、「JA」など
  • 行政の地域協働リーダー – 産官及び官民の協働をコーディネートして行政施策を推進する人材、「公務員」、「大学職員」など
  • 生活・文化の地域協働リーダー – 住民と一緒に地域の暮らしと文化を支える担い手となる人材、「NPO」、「公益法人」、「マスコミ」など

地域の課題を解決していくためには、地域の理解、課題の理解、地域とのつながりなど、多くのことが必要になります。各地域の大学で地域課題を解決する人材の育成を行うことができれば、持続可能な地域を作り出すための重要な役割を担うことができそうです。

何よりも、その地域に暮らす人びとが「協働」することが、地域課題の解決のためには重要なこと。それを名前に含んでいる学部が登場することはとても楽しみです。

junyamori

inquire Inc. CEO、NPO法人マチノコト理事。1987年2月生まれ、岐阜県美濃加茂市出身。『マチノコト』の編集を担当する他、一般社団法人HEAD研究会フロンティアTF副委員長、ローカルメディアネットワーク『IDENTITY』を運営中。『THE BRIDGE』『マチノコト』『soar』など複数のメディア運営にも携わる。

コメント

コミュニティに参加する

ページトップ