マチノコト

2015.1.9

川崎市麻生区で、オープンデータを活用した子育て支援アプリの実証実験がスタート

子育てに関する取り組みは、全国のまちにとっても重要な話題。最近では、「comolib」などのパパママのための子どもとお出かけ情報アプリといったサービスなども誕生しています。

そうした中、川崎市麻生区にて子育て支援アプリの実証実験が1月6日からスタートしました。富士通が位置情報を管理する企業と子育てにかかわるイベントやおでかけスポット情報を管理するオープンデータ(Linked Open Data:LOD)を連携させ、スマホで情報を受信するためのWebアプリを開発し、利用者が知りたい情報をタイムリーに発信する仕組みとその効果を検証していくものです。

これまで、子育て情報がまとまっているポータルサイトやおむつ交換ができる場所や施設がわかりづらい、といったニーズがありました。そこで、今回の子育てアプリでは子育てに関するイベントのカテゴリ・開催地区といった情報や、事前にサービスに登録した子どもの年齢などに応じた、利用者ごとに最適なイベントが探せるような機能を備えているようです。

また、子育てイベント情報をシステムに登録すると、データが自動的にLODに変換されるため、開催場所の位置情報が自動的に入力され、そのままアプリにも反映されるため、行政としても情報の入力や発信が容易になることによって、充実した情報発信ができるようになります。

子育て支援アプリの画面イメージ

子育て支援アプリの画面イメージ

全国各地で、スマートフォンを使った市民の情報発信や子育てに対する支援を求める動きは起きており、民間企業によるこうした取り組みも、一つのシビックテックとしてみることができます。川崎市でも、こうした市民発の情報発信や子育てに関する取り組みを率先しようと考えており、今回の実証実験へとなったのです。

今回の取り組みに対して、実証実験のモニターを募集中しています。麻生区の子育てイベントや関連施設を利用している保護者の方々に利用してもらいながら、実際の利用に関してのアンケートなどのフィードバックを求めています。モニター登録はこちらからできます。実証実験の期間は、2015年1月6日から2月28日と短い期間ですが、その間にぜひ使ってみてサービスの感想や改善点などをフィードバックしてみると良いかもしれません。

今回の実証実験を通じて、川崎市全体の子育て情報の充実や、スマートフォンなどの現代の生活に沿った新しい情報発信のあり方へと変わっていくきっかけになるのではないでしょうか。

 

江口 晋太朗

Shintaro Eguchi

編集者/ジャーナリスト。TOKYObeta Ltd 代表、マチノコト理事、inVisible理事、日本独立作家同盟理事。著書 『日本のシビックエコノミー』『ICTことば辞典』『パブリックシフト』など。1984年福岡県出身

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