2015.2.25
今、全国の地域では、商店街の衰退と、それにともなう空き店舗の増加が問題視されています。
兵庫県の神戸元町6丁目商店街は、神戸駅からほど近い場所にある商店街。古くからお店と住宅などが集まっている場所で、長く続く歴史の中で文化と伝統を育んできました。
「まちの顔」とも言うべき地域でしたが、近年、この場所でもシャッターを降ろしたままの空き店舗が目立ち、商店街の空洞化が進んでいます。
こうした現状を解決すべく、地域クラウドファンディングサイト「FAAVO」の兵庫版で、神戸元町6丁目商店街に、商店街活性化のため空き店舗を活用したコワーキングスペースをつくるプロジェクトが始まりました。
神戸元町6丁目商店街を活性化させるため立ち上がったのは、NPO法人ソーシェアの東村奈保さん。
ソーシェアは、「社会的な問題を人と人との関わり、分かち合い、助け合いで解決出来れば、世界は変わるのではないか」という想いから、2013年2月に活動を開始しました。
「シェアで社会課題・問題を解決する」をテーマとして、現在は「農家さんと住人と地域がつながる」をコンセプトにしたシェアハウスを運営などを行っています。
神戸で生まれ育った東村さんにとって、元町6丁目商店街は子供の頃から馴染みのある場所。
「活気のなくなった商店街をなんとかしたい」と考えた東村さんは、神戸市・商店街の協力を得つつ、2014年12月に空き店舗を活用し「TuKuRu-ツクル」をオープンしました。
TuKuRuはモノづくりを仕事にしたいクリエイターのための、展示・販売シェアスペース。その場所にいるクリエイターと、訪れる人が出会う場をつくるだけでなく、トークイベントも開催し、人が集まり色々なモノ・コトでつながる場所になっています。
このスペースを作る過程では、市民参加型のDIYワークショップをし、壁塗りなどのリノベーションをみんなで一緒に行い、共に店舗を作り上げていきながら、人のつながりを生み出していきました。
ここに来てまだ二ヶ月ですが、商店街のひとが「◯◯貸して」ってお店に来たり、クリエイターさんが作ってくれた看板に近くの居酒屋さんが枠を付けてくれたり、みんなでできることをシェアして助け合っています。
と東村さんは語ります。ソーシェアが大事にしている「シェアする」という考え方が、こうしたお店の様子にもよく現れています。
TuKuRuはオープン後、少しずつにぎわいを見せてきていますが、以前から元町6丁目商店街を利用する人の数が少ないことに、東村さんは頭を悩ませました。
“この店を目指して来る人” を増やさないことには、商店街の活性化にはつながらない、と思い至りました。お店をたくさんの人に利用していただくには、どんなサービスが必要だろう・・・。そう考えた答えが、「商店街の中に、人の集まる “場” をつくる」ということでした。
「いろんな人が集まり、つながり、発信し、よい影響を与え合う “場” 」をつくりたいと考えた東村さんは、物置になっていた「TuKuRu」2階の倉庫・庭をみんなで力を合わせて改装し、コワーキングスペースをつくろうと考えるようになりました。
コワーキングスペースをつくることで、TuKuRuはますますたくさんのひとが集まり、商店街にとってなくてはならない場所になっていきそうです。
現在、東村さんは「FAAVO兵庫」で、店舗の改装費用をつのるクラウドファンディングプロジェクトを実施中です。
目標金額は60万円、残り日数は35日となっています。神戸にゆかりのある方、商店街活性化やまちづくりに関心のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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