マチノコト

2013.8.29

全国に広がる傘のシェアリングサービス。「もったいない」を感じるために、奈良県天理市の駅でスタート

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photo by Mokeneco CC By SA 2.0

急な雨が降った時に、すぐにコンビニでビニール傘などを買ってしまいがちだけど、傘をシェアすることで、環境にやさしく、エコな取り組みとして傘を無料でシェアする取り組みが、東京を中心にシブカサが活動しています。そうしたシブカサと同様の取り組みが、全国各地でも行なわれています。

奈良県天理市で始まった駅での傘のシェアリングサービス

奈良県天理市は、燃やせないごみとして出された傘を使った置き傘を、市内のJR柳本駅、長柄駅、櫟本駅の3箇所に設置したと8月24日に発表しました。

同市の環境クリーンセンターによると、ごみとして出される傘の中には使用可能なものも多く、「もったいない」と思う心を育てると同時に、再利用(リユース)の啓発も兼ねた取り組みとして、試験的に行うそうです。

櫟本駅には約20本の傘が置かれ、傘立てには「お困りの方 お使いください」と大書きされた紙が張られ、「使ってもらえれば、傘も喜びます」「返却をお願いします」と書かれています。

シブカサでは、渋谷近辺のカフェを中心に傘のシェアリングをしていますが、天理市のように、駅付近のように人が集まりやすいところで取り組むことで、ちょっとした雨の時でも便利に使え、また次の日にきちんと返却できる取り組みですね。もったいなさと便利さを兼ね揃えた取り組み、今後は利用可能な駅が増えたり、シェア傘を利用した人たち同士でのコミュニケーションを促す取り組みなど、色々と考えられます。

市内数十箇所以上の傘立てがある松江市の傘のシェアリングサービス

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他県の取り組みとして、島根県松江市では、NPO法人まちづくりネットワーク島根が中心となり、2012年8月から松江だんだんシェア傘プロジェクトと題して、松江市を中心に市内数十箇所以上に傘立てを設置しています。

駅や商店街、居酒屋、路線バスなど様々なところで傘のシェアリングが始まり、すでに1年以上も活動しています。「雨の似合う街、松江」といった松江市のキャッチコピーも作り、突然雨が振りやすい地元ならではだからこそ、広がる取り組みとも言えますね。全国各地で、傘のシェアリングが広がり、ちょっとした雨の時にはすぐ近くのお店で傘を借りる習慣ができるといいですね。

江口 晋太朗

Shintaro Eguchi

編集者/ジャーナリスト。TOKYObeta Ltd 代表、マチノコト理事、inVisible理事、日本独立作家同盟理事。著書 『日本のシビックエコノミー』『ICTことば辞典』『パブリックシフト』など。1984年福岡県出身

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