2015.3.24
「パラレルキャリア」「二拠点居住」など、新しい働き方や生き方の提案はこれまでにも行われてきました。最近新たな感じている働き方の萌芽は、都市にいながら地方に関わるというもの。
本業とは別で東京にいながら地域の特産品PRを手がける人もいれば、週末の時間を使って地方の人と一緒に新しいプロジェクトを立ち上げる人も。
インターネットの整備や考え方の変化、地方のニーズの向上など、色々な面での変化が起きてきたことで、地方に移住しなくても地方と関わる働き方が可能になってきています。
生まれつつある新たな働き方、地方との関わり方について考えるための場が開かれます。
3月29日〜4月1日の4日間開催される「OPEN DIALOG WEEK」では、どう地域に関わりをもつのか、パラレルキャリアをどのように実践するのかをテーマにしたイベントです。このイベントに合わせて、東北を始め全国各地から魅力的な活動をしているゲストも集います。
地域課題が表出している東北で活動している方々は、各テーマでトークを行い、参加者に向けて課題を投げかけます。その課題に対して、グループに分かれてワークショップを行い、企業で働きながら何ができるかを考える時間も設けられます。
「Open Dialog Week」は、先日マチノコトでも取りあげた「東北オープンアカデミー」の開校を記念して開催されます。東北オープンアカデミー実行委員の林篤志さんは、
林さん「日本全国各地に過疎化などが注目されている中、東北地方は震災を機に地域の課題が顕著にあらわれてきました。20年後、訪れてもいいくらいの変化が、いきなり起きてしまったんです。復興という名のもと、顕著になった地域課題に立ち向かった人たちがこの4年現れ、課題を解決するためのプロジェクトもたくさん生まれました。
一方で、日本には色々な地方があります。東北だけではなく、これから日本の各地方で活躍していくような人材を育てていかなくてはいけません。人を育てるフィールドとして、どこが適しているかということを考えた時、東北が適地だということになりました」
と立ち上げの経緯とプロジェクトの目的について語ります。
東北オープンアカデミーに参加すると、地域課題の解決に取り組む現場をフィールドワークし、東京にいながら地域のプレイヤーと関わるきっかけを手にすることになります。このネットワークに参加することで、情報交換、プロジェクトを立ち上げる際の支援、起業する際の資金にファンドを活用するなど、様々な利点が考えられます。
林さん「みんなが起業する必要はありません。今後、地域にとって大切なことはその地域に関係する人口をどう増やすのかということ。東京でサラリーマンとして本業をしながら、地方に関わるパラレルな生き方ができる人を増やしていけたらと考えています。一生一つの仕事を続けるという時代ではなくなりつつあります。不確実性が高い時代において、多様なバックボーンを持った人たちとつながることは、プラスに働くはずです」
地域課題の解決と個人のキャリア。この先人々の暮らしに大きく関わってくる2つのトピックにまたがっているのが「東北オープンアカデミー」という活動です。すでに参加者として集まってきている人々の目的も、
など様々。年齢層は20代と30代が一番のボリュームゾーン。中には10代の参加者もいるそうです。世代も、動機も、出陳地もバラバラの人たちが「東北オープンアカデミー」には集っています。こうした人々とつながることは、自分の視野を広げることにもつながります。
林さん「二足のわらじを履く生き方を、日本の地域と関係しながら作っていけたらと思っています。将来的に地域に移住する人も出てくるかもしれないし、東京で仕事をする人もいるかもしれない。色々な可能性があっていいと思います。
今のタイミングにおいて、都市と地域をまたにかけるような生き方、働き方を提示していきたい。技術も進歩しているし、地方も外からの人を求めている。これは5年前や10年前ではできなかったこと。
プロボノより深く、そして副業でもない、地域の仕事をもうひとつの仕事とする新しいカタチを提案していきたいと思います」
こうしたパラレルキャリアを選択する人が増えれば、都市と地域をつなぐ人が増えていくことになります。つなぐ人がふえていけば、都市と地域の関係も、今とは異なったものになっていくかもしれません。
働き方を考えることと、暮らし方を考えることの距離は年々縮まってきています。未来のことを考えたときに、どちらか片方だけを考えるということは難しくなっていくでしょう。
将来、どのように働き、どのように暮らしていくかを考えたいという方は、「Open Dialog Week」に足を運んでみてはいかがでしょうか?
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