2015.12.9
「まちづくり」や「社会貢献」の活動をされている方々を見ると、20代後半から30代の方が多いことに気づきます。さまざまなジャンルにおいて、経験や実績を積み重ね、活躍する「アラサー」の人々。
彼らのお話を聞いてみると、「仕事に慣れ、少しずつ結果を出せるようになったものの、結婚や出産、家族といった将来のキャリアを見据えていかないといけない」と話してくれます。
岐阜県では、岐阜のまちづくりに関わるアラサー世代が集結し、集まった参加者とともに個々が抱える課題意識を全体で共有し、新たな動きと結びつきとなる会議が行われるようです。
12月23日に岐阜で開催予定の「岐阜アラサー会議」。このプロジェクトは、岐阜県内の町議会議員や、岐阜県各地のまちづくりに関わるNPO職員など、6人のアラサー世代が集まって運営されています。
「なにげない一言から始まったんです。」と、岐阜県垂井町の町議会議員であり、「岐阜アラサー会議」の運営メンバーでもある太田佳祐さんは話します。
京都のまちづくりに積極的に取り組む方が岐阜に来たときに、若者が地域を盛り上げる「若者会議」というイベントの話になりました。しかし、参加資格が20代までで、参加することが出来なかったんですよね。
移住促進や地域振興という問題は、30代の僕らの世代が責任を持って考えていかなければいけない問題でもある。だったら、アラサーで集まってなんかやろうと。
同じく「岐阜アラサー会議」の運営メンバーであり、長良川流域の地域づくりを行うNPO法人「ORGAN」で勤める浅野雅樹さんも、「岐阜のなかで横の繋がりを欲していた」と語ります。
「若者会議」は、地域を知り、魅力を探し、企画を考え、実践を試みるイベントですが、僕たちは既に仕事として、それを行ってきました。
ですが、「ORGAN」のように観光系やまちづくりの人たちとは関わりがあっても、福祉や政治といった異業種の方と価値観を交流して、横の繋がりを作る機会はなかったんですよね。
実際に活動を行い、それぞれが積み重ねてきた経験を持ち寄る場はきっと良い場になると思いました。
岐阜県恵那市にあるNPO法人「えなここ」で恵那市を中心にまちづくり活動を行う園原麻友実さんも、「岐阜アラサー会議」のメンバーの1人。
岐阜を共通項に人が集まる「岐阜ナイト」という場づくりを日本各地で行ってきた彼女は、「岐阜県各地でさまざまなジャンルで新たな取り組みが起こってきた今、相互間の連携を強める必要がある」と話します。
岐阜は各地で魅力的な取り組みが行われていますが、その根源には人口減少や山間部の多さに対する危機感があると捉えています。
伝統的なものづくりの跡継ぎ継承や、空き家の問題は、今後都市部が直面していく問題でもありますが、岐阜は早くからその課題に直面してきたぶん、既にそれぞれの問題と向き合うプレイヤーが存在している。
社会課題によって作り出された魅力あるプレイヤーが点在してきた今、地域間の問題をさまざまな観点から連携して解決するネットワークを作る必要があると思います。
「マチノコト」でも岐阜県各地で行われる魅力ある活動、プレイヤーの声を記録してきましたが、プレイヤー自身が横の結びつきを強め、岐阜から全国へ課題解決の先行事例を発信しようと動いています。
「岐阜アラサー会議」では、林業や里山保全といった「一次産業」、ゲストハウスや建築といった「場づくり」など、合計12のテーマに合わせて、岐阜県内で活躍する「アラサー」12名が登場。
会場を4つに分け、それぞれのテーマで1時間、現在の活動から、その活動に到るまでの「過去」、そして活動を通して、思い描く「未来」のビジョンを話し、参加者とともに考えます。
40代以上の「上の世代」と、20代の「下の世代」に挟まれる「アラサー世代」は、何を考え、どういった社会を目指しているのか。
「岐阜アラサー会議」への参加を通じて、さまざまなジャンルで日々奮闘する同世代の等身大の言葉から、自分の立場から何が出来るのか、ともに考えてみませんか?
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