マチノコト

2015.2.10

淡路瓦は楽器になるか!?音楽家と地域が協働し伝統文化の新たな可能性をさぐるアートプロジェクト

readyfor

伝統産業として400年以上の歴史を有する「瓦」がある兵庫県南あわじ市・津井。和風住宅の減少したこともあり、瓦産業は衰退しつつあります。津井でも、40年前には100軒以上稼働していた瓦工場が現在は40軒にまで減ってしまい、この先10年でさらに半分の数に減少するのではと言われているそうです。

この地で2013年からこの淡路瓦をつかって「瓦の音楽」を創造するアートプロジェクトを進めてきた人々がいます。

瓦を新たな楽器にできないか

10年以上、アートの力で地域を活気づけるための活動を実施してきたNPO法人淡路島アートセンターは、音楽家と地域の人々と一緒に、瓦を新たな楽器としての可能性を探るプロジェクトを実施してきたそうです。

ぱっと見ると鉄琴のようにも見えます。

ぱっと見ると鉄琴のようにも見えます。

実際にはこんな感じの音がするそうです。派手ではありませんが、演奏を聞いているうちにちょっと楽しくなってきます。

瓦音楽のCD作品化をクラウドファンディングで

NPO法人淡路島アートセンターは、これまでの活動成果の総決算として、かつ「瓦の音楽」の活動を広く知ってもらうために CD 作品『瓦の音楽 music genteng』を制作するための資金を集めをクラウドファンドサイト「Readyfor?」で行っています。

目標額は 46.5 万円。残り1ヶ月ほど期間を残して現時点で10万円が集まっています。瓦産業そのものの衰退を食い止めるためには、また別の活動も必要になるかとは思いますが、認知してもらうことも大切なこと。CD化するためにお金を集めることがプロモーションにつながり、CD化されることでさらにプロモーションにつながる。こうした動きは、伝統文化のことを知ってもらうためには良いアプローチかもしれません。

マチノコトでは地域とアートプロジェクトの相性についてや、伝統文化を伝えていくための新たな動きなども紹介してきています。衰退の危機にある伝統文化は全国各地に存在しているはず。その存在を伝えるためのアプローチが少しで増えてくるといいですね。

junyamori

inquire Inc. CEO、NPO法人マチノコト理事。1987年2月生まれ、岐阜県美濃加茂市出身。『マチノコト』の編集を担当する他、一般社団法人HEAD研究会フロンティアTF副委員長、ローカルメディアネットワーク『IDENTITY』を運営中。『THE BRIDGE』『マチノコト』『soar』など複数のメディア運営にも携わる。

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