2013.9.24
県全体として、推定で約18万棟もの古民家が存在するという島根県。そうした島根の古民家を現代に活かそうと、島根大学が取り組みを始めようとしています。
島根大は、松江市の松江城周辺の古民家を、アーティストの創作の場として活用してもらう古民家再生の取り組みを始めました。空き家の有効活用を通した地域活性化を図る狙いであり、松浦正敬市長も「まちづくりのモデルケースとして支援の形を考えたい」と期待しているそうです。
今回の古民家再生の対象地域は松江城周辺の北堀、石橋、奥谷、北田の各町。同地域内で15%の約50棟の空き家があるとみられるという。もちろん、空き家を勝手に改装することはできないため、実際に古民家再生を行う空き家を提供する所有者を募集しています。建築などを学ぶ学生らが工房やギャラリーに改修。改修後にアーティストらが創作活動を行うための拠点として活用する。今後は、再生した複数の古民家をネットワーク化し、それによって観光ルートを生み出すことも計画しており、松江城周辺の活性化に一役を担おうとしています。
募集する空き家は木造で、自由に改修できることが条件とのこと。募集期間は9月30日までとしています。協力したい方などは、島根大総合理工学研究科事務室にまでご連絡ください。
島根大学総合理工学部建築・生産設計工学科においては、古民家再生や都市計画、ランドスケープやユニバーサルデザイン、伝統木造から現代建築までを学ぶことができるようです。准教授の中野茂夫氏は、「都市計画史」をベースとした研究室を持ち、景観や保存の制度、歴史的町並みや建造物の基礎調査など、都市計画と実際の技法を通じて、これからのまちづくりに活かそうと取り組もうとしています。
こうした、大学と行政、そして民間企業が連携し、街に対する様々な取り組みが広がることを期待します。
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